Keio Business School LogoKeio Business School Logo

2019年度 小名木会長の挨拶

2019年3月1日

「半学半教」を実践する

2019年度 KBS同窓会 会長
小名木 智宏(フェアネスコンサルティング株式会社 代表取締役)

2019年度会長を拝命いたしました、M22の小名木です。
KBS、ならびにKBS同窓会の、益々の発展に尽力していく所存でありますので、ご指導、ご鞭撻のほど、何卒、宜しくお願い申し上げます。

私事で恐縮ですが、本塾法学部を卒業したのがちょうど30年前、1989年3月でした。
奇しくも平成元年であり、本年が平成最後の年となる偶然も重なり、改めて重責を噛みしめている次第です。

さて、ご承知の通り、KBSは1962年に創立された、日本で最も歴史があるビジネススクールであり、約4,000名の卒業生を輩出してきた、自他共に認める日本のトップスクールであることは論を俟ちません。
しかし、私は、まさに現在、KBSは大きな岐路に立たされているものと認識しています。

昨今、FullTimeMBAについては、実務経験のある企業派遣入学者の減少、学部新卒者の増加により学生の「低年齢化」が進み、また特にアジア圏からの留学生増加に伴い、KBSが創設以来、標榜してきたケースメソッドによる学習スタイルが本当にベストなのか、問われていると感じています。

別の視点で申し上げるならば、以前のような、30歳前後の企業派遣生がマジョリティの学生に対して、大企業のケース主体のケースメソッドによるミドル・マネジメント教育を施し、その派遣元企業との長期的関係を構築してきた、ビジネスモデル自体も見直しを迫られていると言えるのではないでしょうか。

一方では、実務者教育を前面に押し出し、夜間や土日開講、通学に便利な都心キャンパスを構え、多くの学生・受講生を獲得しているビジネススクールもあり、どこで戦い、どこでは戦わないという、選択と集中の視点もまた重要なポイントだと認識しています。

以上の情勢認識に基づき、同窓会がKBSに果たすべき役割とは何なのか。

私の考えるKBSの強みは、何といっても、その歴史で蓄積されたナレッジ、そして約4,000名の卒業生というアセットにあると考えます。

その強みを最大限に活かすために、慶應義塾の「半学半教」を実践し、学生、教員、そして卒業生が、有機的に刺激し合い、共に学び、学ばれる。そんな同窓会のあるべき姿を求めていくことを、今年度の大きなテーマとしたいと考えます。

その大テーマの実現に向け、今年度は、単発のセミナー、イベント開催に留まらず、長期的な視点に基づいた施策を検討、実行するため、MBA,EMBA各世代から総員25名の役員体制で臨むことに致しました。

至らぬ点は多々あるかと存じますが、「明るく、楽しく、元気よく」進めていく所存でありますので、役員一同、宜しくお願い申し上げます。