2023年4月に慶應義塾大学大学院経営管理研究科に教授として着任いたしました劉慶紅（リュウ　ケイコウ）と申します。

私は日米中の三か国で学び、三つの博士学位を有し、哲学、経営学、経済学等の多分野にわたる学際的な研究を旨とし、定性及び定量の両面から企業倫理と経営戦略の研究を行っています。企業倫理に関しては、京セラ創業者の稲盛和夫氏の経営倫理思想に関する研究を起点として、西洋流の功利主義や義務論といった倫理思想とは異なる「利他」の倫理基準の構築を目指して研究しています。また現在、企業の社会的責任（CSR）の重要性が言われており、経営戦略論としては、市場戦略のみならず、社会的貢献などの非市場戦略も加えた戦略が必要とされており、私は市場戦略に非市場戦略を加えた「統合戦略」を提唱して研究活動を展開しています。

大学教員になる以前は、日本の大手電機メーカー及び大手SIerにて、海外事業推進を統括し、現地法人の上級管理職として海外赴任するなど、グローバルなビジネス環境の最前線で実務に携わりました。そうした経験に基づき、理論のみならず、現場での実践を取り込んだ研究・教育を心がけています。

「青は藍より出でて藍より青し」を教育者としての最大の目標にし、常に最先端の学術研究成果や知見を可能性に満ちた学生たちに還元することに注力し、なにより学生が主体的に学ぶ姿勢を身につけ、自らの可能性を最大化できるよう、最大限サポートをしたいと考えております。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。