ご挨拶
2022年1月21日
ご挨拶
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 委員長
慶應義塾大学ビジネス・スクール 校長
坂爪 裕
2021年10月よりKBSの委員長に就任しました坂爪と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
同窓会の皆様はあまりご存じないかもしれませんが、KBSでは、ミッションステートメントというものを設定しており、以下のように定めています。
「KBSは新たな構想を作り実現するリーダーを育成する。
そのために、多様な学生がともに学ぶ喜びを知り、世界一線級の研究を発信し、
実務経験と体系的知識を融合する場を提供する。」
このミッションステートメントでは、KBSの主な活動領域を3つに定めています。1行目が「教育」、2行目が「研究」、そして3行目が「交流」という3つの領域です。KBSの委員長としては、同窓会との関係も、このミッションステートメントが示す「教育」「研究」「交流」という3つの領域で、今後是非深めていきたいと考えています。
「教育」面については、同窓生が現役学生に経験や知見を伝えて頂く場面がもっと多くても良いではないかと考えております。同窓生は、日々実務の世界で様々な困難な場面に直面していると思いますので、教員が語るよりも迫力ある生々しい話をたくさんお持ちなのではないかと思います。より多くの同窓生の経験や知見を、授業内で伝えて頂いたり、定期的に特別講演会を開くなど、もう少し有機的に連携していけるのではないかと考えております。
次に「研究」面についてですが、一見すると研究は教員の仕事と考えられがちです。しかし、企業や業界が直面している課題を教員と共に考え、解決策を考えるような研究は、ビジネス・スクールが最も得意とするタイプの研究ではないかと思います。例えば、ケース教材をOB・OGの協力の下に作成するなどという活動は、研究面と教育面のシナジーを生み出しつつ、ビジネス・スクールならではの学際的かつ業界横断的な研究活動に繋がるのではないかと考えます。
こうして「教育」と「研究」の連携に取り組むことが日常の活動として定着すると、そのための場や成果発表の機会として、「交流」は自然と進んでいくことになると思います。毎年、同窓会会長には審査員としてご出席頂いている委員長杯ビジネスプランコンテストや、若年学生向けのインターンシップの機会提供、学年をまたがった同窓生の連携強化、就職支援面でのサポートなど、交流に関係する具体的な接点は、たくさんあると認識しています。
以上のように、今一度KBSのミッションステートメントに立ち戻り、同窓会とKBSの連携を考えるという作業が、回り道のように見えても、将来の同窓会とKBSの関係を実効あるものとするために、極めて重要かつ不可欠であると思います。例えば、役員会や幹事会の場面で、教育面や研究面での連携をテーマに様々なアイデアを考えてみるなど、同窓会会員の皆様の意見を反映しながら、検討していく仕組みを具体的に考えていきたいと思っています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。